マラセチア毛包炎とニキビの違い:見分け方と治し方

なぜ知っておくべきか

顔や上胸部に赤いブツブツやニキビのようなものができて、なかなか治らないと心配になることがありますよね。多くの場合はニキビかもしれませんが、見た目がよく似ている別の病気もあります。それがマラセチア毛包炎、いわゆる「カビ(真菌)によるニキビ」と呼ばれることもあります。皮膚科医のZoe Diana Draelos医師への最近のインタビューと、彼女が共著した『Journal of Drugs in Dermatology』のレビュー記事では、この2つの違いの見分け方と、治療においてなぜ区別が重要なのかが解説されています。

ポイントのまとめ

どちらも小さなニキビのようなブツブツができますが、原因も診察での見分け方も異なります。ニキビ(尋常性ざ瘡)は細菌と毛穴の詰まりが原因ですが、マラセチア毛包炎は酵母菌(マラセチア)が原因です。つまり、ニキビに効く抗生物質はマラセチア毛包炎には効果がなく、真菌に対する治療薬が必要になります。

見た目の違い

一般の方には見分けがつきにくいこともありますが、皮膚科医は特徴的なパターンを探します。

  • マラセチア毛包炎:ブツブツがほぼ同じ形・大きさで揃っていることが多く、均一な膿疱(小さな膿をもったブツブツ)が主な特徴です。
  • ニキビ:黒ずみ(開放面皰)、白いブツブツ(閉塞面皰)、赤く炎症を起こしたブツブツ、膿疱、時にはより深いしこりや嚢胞(のうほう)など、さまざまな種類の病変が混在しています。形や大きさがバラバラであることが特徴です。

黒ずみや白いブツブツ、嚢胞がない場合はニキビではなくマラセチア毛包炎の可能性が高いと考えられます。

できやすい場所

できる場所も見分けるヒントになります。マラセチアは頭皮に多く存在するため、マラセチア毛包炎は髪の生え際やその周辺にできやすいです。また、マラセチアはフケや脂漏性皮膚炎とも関係があり、これらの症状が同時に起こることもあります。

原因が違うと治療も変わる

ニキビは細菌が原因ですが、マラセチア毛包炎は酵母菌(以前はPityrosporumと呼ばれていました)が原因です。

細菌と真菌では治療法が異なります。ニキビに使う抗生物質はマラセチア毛包炎には効果がなく、逆に抗真菌薬は細菌性のニキビには効きません。だからこそ、正しい診断がとても大切です。

抗真菌薬を検討するタイミング

Draelos医師は、診断がはっきりしない場合は抗真菌薬を使うことを早めに考えるそうです。クロトリマゾールなどの塗り薬はよく使われており、医師が効果を試すために処方することもあります。

抗生物質を使っても均一な膿疱が治らない場合は、マラセチア毛包炎の可能性を考えるのが妥当です。その場合、医師は抗真菌薬に切り替えたり、追加したりすることがあります。

皮膚の変化を見守る

治療を始めてから数週間、皮膚の状態がどう変わるかを記録しておくと役立ちます。抗生物質を使っているのに均一な膿疱が続く場合は、そのことを医師に伝えましょう。写真を撮っておくと、次の治療方針を話し合うときにとても参考になります。

医師に相談すべきとき

ブツブツが痛みを伴う、悪化している、出血している、感染の兆候がある、急に変化している、または治療しても良くならない場合は、必ず医療機関を受診してください。医師だけが病変のパターンを詳しく診て、適切な検査や治療を提案できます。

大切な注意点

この記事はインタビューとレビュー記事の内容をまとめたものです。医療アドバイスではありません。お肌のことで気になることがあれば、皮膚科医やかかりつけ医に相談し、診断や治療の選択肢について話し合ってください。

参考文献

  1. Zoe Diana Draelos, MDへのインタビュー(マラセチア毛包炎と尋常性ざ瘡の違いについての解説)。
  2. Draelos ZD, Barbieri JS, Tanghetti EA, et al. Malassezia folliculitis presentation, diagnosis, and treatment: a review of “fungal acne”. Journal of Drugs in Dermatology. DOI:10.36849/JDD.9751
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