バイオフロンテラがFDA承認を申請、Ameluz PDTの適応を全身の光線角化症へ拡大へ

なぜこれが大切なのか

日光に当たる部分の肌にザラザラして鱗のようなかさつきができたことがあるなら、それは「日光角化症(アクチニックケラトーシス、略してAK)」かもしれません。AKはよく見られる皮膚の状態で、長年の紫外線の影響が主な原因です。まれに、扁平上皮がんという皮膚がんに進行することもあります。Biofronteraという会社が、アメルズ(Ameluz)という治療薬と赤色光を使った光線力学療法(PDT)の適応を、顔や頭皮だけでなく全身のAKに使えるようにアメリカ食品医薬品局(FDA)に申請しました。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)

会社が求めていること

BiofronteraはFDAに対し、アメルズ(アミノレブリン酸塩酸塩)10%ゲルとRhodoLEDランプを使った赤色光の光線力学療法を、顔や頭皮だけでなく、腕、脚、首、胸、背中の軽度から中等度のAKにも使えるようにするための追加新薬申請(sNDA)を提出しました。アメルズと赤色光の組み合わせは、すでに米国で顔と頭皮のAKに承認されており、2026年9月からは表在型基底細胞がんにも適応が拡大されています。承認されれば、全身のAKに対して米国で唯一認められたPDTとなる見込みです。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)

治療の仕組みをわかりやすく

光線力学療法(PDT)は、肌に塗る薬と特定の光を組み合わせた治療です。薬が異常な細胞を光に敏感にし、光を当てることで薬が活性化してダメージを受けた細胞を破壊します。今回の治療では、薬はゲル状のものを肌に塗り、光はRhodoLEDランプから照射されます。

研究の内容と結果

Biofronteraの申請は、フェーズ3の臨床試験と、より広い範囲で薬の効果を調べた小規模なフェーズ1試験に基づいています。フェーズ3試験には、治療部位が約80、160、240平方センチメートルの範囲で、4~15個のAKを持つ172人が参加しました。患者は1回のPDTを受け、12週後に病変が残っていれば2回目の治療が行われました。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)

最後のPDTから12週間後、アメルズと赤色光の組み合わせで治療を受けた人の45.6%が、治療したすべてのAK病変が完全に消失しました。一方、ゲルの成分のみと赤色光を使った人は16.7%でした。この差は統計的にも有意と報告されています。患者は治療後も約1年間追跡され、長期的な経過が観察されました。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)

患者さんの感想

調査した医師たちは、治療部位の見た目が良好だったと報告しています。研究では、75.2%の医師が治療部位を「良い」または「非常に良い」と評価し、患者さん自身も70.9%が同じ評価をしました。また、86.3%の患者さんが今後もPDTを選びたいと答えています。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)

光の照射方法の変更

適応拡大にあたり、Biofronteraは光の照射方法を変えた「調整照射プロトコル」の承認もFDAに求めています。この方法では、ランプの光の強さを徐々に上げて最大にし、数分間そのままにした後、オン・オフを繰り返しながら15分間で合計37 J/cm²の光量を照射します。大きな範囲を治療するときに痛みが強くなることがあるため、より快適に治療を受けられるように工夫したものです。研究では、痛みの程度はこれまでの小さな範囲でのアメルズ治療と変わらなかったと報告されています。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)

AKのある方にとっての意味

AKは顔や頭皮など日光に当たりやすい場所にできやすいですが、腕や脚、首、胸、背中にも現れることがあります。頭や首以外の部位の治療選択肢は限られているため、これらの部位にも使える治療が承認されれば、多くの患者さんや医師にとって歓迎されるでしょう。Biofronteraと研究者たちも申請発表時にこの点を強調しています。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)

注意点と背景

この記事は、会社のプレスリリースと報告された試験結果に基づいています。試験結果は期待できそうですが、薬を製造する会社が報告したものであり、承認が確実に得られるわけではありません。FDAは通常、追加申請が十分かどうかを判断するのに60日かけて審査を始めます。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)

また、臨床試験の条件や結果が、日常の診療での経過と必ずしも一致するとは限りません。治療を検討する際は、皮膚科医とよく相談し、ご自身に合った選択肢について話し合ってください。(出典:Biofrontera Inc. プレスリリース;Eisen et al., Guidelines of care for the management of actinic keratosis, 2021)

こんなときは医師に相談を

ザラザラしたり、鱗のようにかさついたり、かさぶたのような部分があって、変化があったり出血、痛み、サイズの拡大が見られる場合、または何かわからない場合は、早めに医療機関を受診してください。AKがたくさんあったり、広い範囲に及んでいる場合も、皮膚科医に相談して最適な治療を受けましょう。

変化を記録するコツ

気になる部分の写真を定期的に撮っておくと、ご自身や医師が変化に気づきやすくなります。大きさや色の変化、新しい症状を見つけやすくなり、診察の際にも役立ちます。

免責事項

この記事は情報提供を目的としており、医療アドバイスではありません。治療の決定は医師や皮膚科医と相談の上で行ってください。気になる症状や急激に変化する皮膚病変があれば、速やかに医療機関を受診してください。

参考文献

  1. Biofrontera Inc. Biofrontera submits supplemental New Drug Application to FDA to expand Ameluz red light PDT to actinic keratoses on the full body. Published October 8, 2026. (出典:Biofrontera Inc. プレスリリース)
  2. Eisen DB, Asgari MM, Bennett DD, et al. Guidelines of care for the management of actinic keratosis. 2021;85(4):e209-e233. doi:10.1016/j.jaad.2021.02.082. (出典:Eisen et al., 2021)
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